神田まつやKanda Matsuya
明治17年(1884年)に創業したそば専門店。
食通で知られる小説家の池波正太郎が足繁く通った店としても知られており、『散歩のとき何か食べたくなって』、『むかしの味』(いずれも新潮社)などの食味エッセイでも紹介されています。
神田まつやのおいしさの秘密は、厳選の素材にあり。
茨城県境町産の「常陸秋そば」を中心に、北海道の雨竜や長野県妙高市の霧下そばなど各地から選りすぐったそばを石臼で挽いた、「挽きぐるみ」のそば粉を使用。
そばならではの香りや風味が際立ち、豊かな食感も味わえます。
また、代々受け継がれるそばつゆは、出汁をしっかり効かせた辛めが身上。
コシの強い、喉越しのいいそばとの絶妙なマッチングが楽しめます。


そばはもちろん、歴史を感じさせる佇まいも魅力の一つ。
風格のある建物は、東京大空襲の被害を奇跡的に免れたという木造二階建て。現在は東京都の歴史的建造物に選定されています。
店内には昭和初期に作られたトチの木の大こね鉢、東郷平八郎の直筆の書画など、由緒を感じさせる逸品があちこちに。
風格のある建物は、東京大空襲の被害を奇跡的に免れたという木造二階建て。現在は東京都の歴史的建造物に選定されています。
店内には昭和初期に作られたトチの木の大こね鉢、東郷平八郎の直筆の書画など、由緒を感じさせる逸品があちこちに。

「そばをたぐる」「噛まずに飲み込む」「そば湯で締める」……、
江戸っ子のソウルフードともいえるそばは、この界隈に息づく「粋」を代弁する食文化の一つ。
江戸の粋を頑なに守り、現代に伝えるスポットなのです。
江戸っ子のソウルフードともいえるそばは、この界隈に息づく「粋」を代弁する食文化の一つ。
江戸の粋を頑なに守り、現代に伝えるスポットなのです。









2016年9月 文:倉石綾子 写真:山口靖雄