魚雷Gyorai
シルバーに輝く魚雷のオブジェが強烈なインパクトを与える「魚雷」。入り口を入ると、ラーメン店なのにカウンターにサイフォンが並ぶ、不思議な光景が広がります。


魚雷の自慢は、コーヒーサイフォンで丁寧に抽出した澄んだ出汁。青森の地鶏や赤鶏、豚足をベースにした濃厚なスープと、カツオ、サバ、イリコなど数種の魚と大量の昆布を一晩寝かせた滋味深いスープを合わせ、仕上げは鹿児島県枕崎産本枯節を追いガツオ。サイフォンで一杯ずつ抽出します。この一手間が細かいアクを取り除き、濁りのない味わいに仕上げるのだとか。

スープを引き立てるのは、北海道産小麦「春よ恋」を使った3種の麺。定番の「本枯中華そば」(¥790〜)には全粒粉を使った細麺、「つけ麺」(¥900〜)にはもっちりとした太麺を、「稲庭中華そば」(¥850〜)には中華麺を稲庭うどんのように仕立てた特製麺を使用しています。

それではさっそく、おすすめの「本枯中華そば」をいただきましょう。注文の際、10種のトッピングから好みの3種を選びます。10種のうち1種は季節の素材を使っており、こちらは月替わり。旬の野菜が多いそう。


全粒粉を加えたコシのある麺は、魚介の上品なコクや滋味深さの奥に鶏や豚足のパンチも感じさせるスープとよく絡み、相性も抜群。シンプルにスープと麺を堪能したら、お次はトッピング。自家製醤油に漬け込んでオーブンでじっくり焼き上げたという鶏チャーシュー、炭火で仕上げる豚チャーシューをスープにくぐらせてみましょう。スープ、麺、トッピングの三位一体が楽しめます。


エンタテインメントとしても楽しめる、サイフォン仕込みの「本枯中華そば」。未体験という方はぜひ、試してみてください。



2019年2月 文:倉石綾子 写真:山口靖雄