丁子屋Choujiya
明治28年創業の丁子屋は、4代続く老舗の染め物・洗張店。店内には伝統工芸である注染(ちゅうせん)の手ぬぐいがおよそ300種類、その他にブックカバーなど手ぬぐいをアレンジした雑貨も扱っています。



さて、丁子屋がこだわる注染とは、特殊な糊を使って防染した生地を重ね、その上から染料を注ぐことで模様の部分だけを染め上げる伝統的な型染めのこと。手ぬぐいの他、浴衣、ふきんなどに多く用いられます。型の上に生地を置く、ヘラを使って防染糊を置く、柄がぴたりと合うよう生地を折り返すなど、現在でも多くの工程が手作業で行われています。


プリントと違って裏表なく染め上がる注染は、色が丈夫な点も特徴。そんな注染の手ぬぐいは、手を拭ったり汗を拭いたりする以外にもさまざまな用途で活躍します。例えばラッピングペーパーの代わりにギフトや手土産のボトルを包んだり、お気に入りのモチーフを額装して壁に飾ったり。大判なのにかさばらず、乾きも抜群に早いことから、旅先やアウトドアでも重宝します。

青海波や麻の葉といった伝統的な小紋の他に、季節を感じさせるモチーフも多く、日本らしい四季を身近に取り入れることができるのも嬉しいところ。例えば、いまの時期ならアヤメやアジサイ、モクレン、あるいは鯉のぼりなどで季節感を少しだけ先取りした使い方がおすすめ。ぜひ、あなたらしい使い方を考えてみてください。




2017年4月 文:倉石綾子 写真:山口靖雄