中国料理 豊栄Chinese Houei
茗荷谷界隈でいま最も注目を浴びている飲食店がこちら、四川・上海料理の「豊栄」です。自然派中華で知られる、渋谷・道玄坂「月世界」で料理長兼店長を務めていた進藤シェフが独立、2年前にオープンしました。


開店してまもなくドラマ「孤独のグルメ」や、『ミシュランガイド東京2018』に紹介されるなど、幅広い年代の食通を魅了する「豊栄」。人気の秘密は、伝統的な中華料理の手法をベースにしながらも、従来の中華の型にはまらないオリジナルメニューの数々です。


「よだれ鶏」として知られる四川料理の代表格、「口水鶏(コウスイジー)」は、麻と辣の痺れる辛味が蒸し鶏のジューシーな肉質を引き立てます。自家製の醤を使った定番の「麻婆豆腐」はひき肉と生姜、ニンニクがたっぷり。刺激的な辛味と柔らかな豆腐のマッチングに、箸が止まらなくなること請け合い。冬季限定で白子入りの濃厚なバージョンも楽しめます。

料理はどれもお酒とのペアリングを考えて仕立てられており、シェフ自らが厳選したという黄酒(ホアンチュウ)との相性もバツグン。世界三大古酒の一つに数えられる黄酒のほか、ワインリスト、生姜や高麗人参など生薬として知られる素材を漬け込んだ自家製薬膳酒も揃います。


現在、夜はアラカルトのほか、前菜3種盛り合わせに葱油鷄(ツォンヨウジー)もしくは口水鶏のどちらか、エビとマコモ筍の豊栄醤炒め、麻婆豆腐など人気のメニューを揃えた全7品の「おためしコース」¥2,800(4月に価格改定予定)を展開。そのほか予算や好みによって進藤シェフがオーダーメイドでコースを組み立ててくれます。


真冬の牡蠣や白子、丸鷄、秋のキノコ、晩秋の上海蟹など、季節の素材をふんだんに使って上海、四川、中国各地の郷土の味覚を自在に操る進藤シェフのマジックを、ぜひ味わってみてください。




2018年2月 文:倉石綾子 写真:山口靖雄